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電子書籍の自費出版の相場や基礎知識

電子書籍の自費出版のメリット




電子書籍は、本好きな人にとって利便性の高いものです。たくさんの本を持つ必要がなく、収納スペースに困りません。
さらに、スマホやタブレット端末が一つあれば良いので、外出先や旅行先に何冊もの本を持っていって荷物が重くなることもありません。

近年、自費出版の手段としても電子書籍が注目を集めています。その理由は、たくさんのメリットが得られるからです。 
一般的に紙ベースの個人の出版物は、書店の店頭では目立たないところに陳列される場合がよくあります。

一方、電子書籍では個人の本だからといって検索画面の下の方に表示されるような差別はなく、大手の出版社の本と同等に売れるチャンスを手にすることができます。
また、紙の本の場合よりも出版にかかる価格の相場が安いため、気軽に自分の本を作成することが可能です。
存在するのはデータだけなので、出版物に付きまといがちな在庫を抱えるリスクもありません。リスクを取らずに個人が本を出せる点も、人気の理由の一つです。 

ただし、デメリットも挙げられます。
一つ目は、装丁にこだわれない点です。装丁にこだわりがある人にとっては、紙の手触りを特徴のあるものにしたり、表紙に箔押し加工を施して豪華にしたりすることができないので、物足りなく感じる場合があります。

二つ目は、ネット上に販売の場が限定される点です。紙の本をデジタル化する場合には実店舗とネットの両方で販売できますが、最初から電子書籍のみだと、基本的にネット上のみでの販売になります。
しかし、電子書籍を紙に印刷して出版できるサービスを行うサイトも存在しますし、ネット上に限られるといってもさまざまな販売サイトがあるため、売る場所に困ることはないでしょう。

 

電子書籍を作成する方法


電子書籍を自費出版する際には、一般的に四つの工程を経て公開されます。まず、本のテーマを決めてコンテンツを作成、つまり文章を執筆します。
コンテンツの作成は、自分が普段から使い慣れたテキストエディターで行って構いません。より作業に集中したいなら、専用に新たなテキストエディターをインストールして使っても良いでしょう。

書き終わったら、コンテンツをマークダウン記法で編集していきます。マークダウン記法とは、リンクや太字などを指定するための記法で、ルールさえ覚えれば誰にでも行えます。 

次に、コンテンツをEPUB形式に変換します。電子書籍を販売するサイトではこの形式に対応しているところがほとんどなので、特に複数のサイトで販売したい場合、最初からEPUB形式にしておくと別の形式に変換する必要がなく便利です。

EPUB形式に変換するには、専用のソフトに必要項目を入力してテキスト本文のファイルを変換します。その後表紙も作成するため、ファイルを新規作成していったん本文のみを保存しておきます。
次は表紙づくりです。

売れる本は表紙のデザインが良いことも多く、本文同様に手を抜けない工程です。販売したいサイトで表紙に使えるデータの形式、推奨サイズや縦横比を確認してから作ります。自分で作成しても構いませんが、クラウドソーシングで作成依頼する人もたくさんいます。

クラウドソーシングなら、料金の相場はさまざまですが、クオリティーの高い表紙に仕上がります。
最後に出版したいサイトに出版申請をします。審査を通れば本文と表紙のデータをアップロードし、価格とロイヤリティを決めれば晴れて販売開始です。
サイトに登録する際にISBNコードを入力する欄がありますが、ほとんどの場合必須項目ではありません。

 

作成を出版代行業者に依頼する人が多い理由


個人が自費出版で電子書籍を出すのには、主に四つの目的があります。四つの理由の中で最も多いのは、本を売って収益を得る副業目的です。
他には自分の作品を誰かに読んでほしいという伝播目的、一度でいいから本を出してみたい願望をかなえる記念目的、そして以前紙ベースで出版した本を電子書籍化する変換目的です。
利益を得たい人から手軽に始めたい人まで、さまざまな目的を持った人が紙の書籍ではなく電子書籍を出すのには、やはり出版にかかる費用の相場の安さが関係しています。

表紙や原稿にお金をかける場合は費用がどうしてもかかりますが、全て自分で行う場合には印刷費用代金も不要なため、かなりのコストを削減できます。 
自社で電子書店を持っている業者は、初期費用を安くできる場合もあります。

ただ、業者に作成依頼をする人も一定数いるのが事実です。
その業者で過去に紙の本を自費出版したことがあれば、スムーズに電子書籍化ができるでしょう。
また、他社から電子書籍や紙の本を出版したことがある人についても、条件が合えば受け付けてくれる業者も存在します。

電子書籍と、注文を受けてから作るオンデマンド本、または既成の出版本を同時に依頼する場合も、まとめて依頼することができ便利です。家にインターネット環境がない人は、郵送で対応してもらえる業者を選ぶ人もいます。
業者を選ぶ際、出版契約の期間やサービス内容はそれぞれ異なるので、ウェブサイトの内容や見積もりを取って比較してから、どこに頼むかを決定しましょう。

こちらの記事の監修者

自費出版の風詠社コラム編集担当 大杉剛

  • 株式会社風詠社代表取締役社長。
  • 1979年3月、早稲田大学第一文学部ロシア文学専攻卒業。
  • 畜産関係業界紙編集記者を経て、印刷会社でシャープ(株)の社内報編集を担当。
  • その後、東京および関西に本社を置く自費出版会社3社に勤務し、企画・編集した書籍は450点以上。2008年に株式会社風詠社を設立。自費出版の編集歴は30年以上。
  • コラムでは、読者の皆様や自費出版を検討されている方に、有益な情報をお届けすることを目標に執筆しています。

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