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自費出版で文庫本をつくろう!文庫本のサイズや文字数などポイントを解説

自費出版してカジュアルな「文庫本」をつくってみたい方もいるでしょう。結論からいえば、自費出版でも文庫本はつくれます。今回は「そもそも文庫本とは何か」から「文庫本を出版するメリット」、「文庫本をつくるときの注意点」までを解説します。

自費出版で文庫本をつくろう



自費出版とは文字どおり、自分で費用を負担して本を出版することです。自費出版できる本のジャンルは実にさまざま。シニア層で静かなブームとなっている自分史をはじめ、詩・歌集・小説・エッセイ・旅行記・画集・写真集・絵本など多岐に渡ります。最近では長年書いてきたブログを書籍化する人も増えているようです。

自費出版のメリットは「自費だからこそ自由意志で出版できる」「作品を後世に残せる」「自分自身のステータスになる」ことなど。自費出版をサポートしている出版社の中には、一般的な単行本の規格サイズではなく、好きなサイズで本をつくってくれるところもあります。「文庫本」としての出版を考えているなら、好きなサイズでの出版を請け負ってくれる出版社を選んでください。

文庫本とは



文庫本とは、単行本の刊行後に、サイズを小さく、低価格にして販売する小型の本のことを指すのが一般的です。単行本として発刊されている作品をより広く流通させるために、数年後にあらためて文庫版として発売されるケースが主流でした。しかし最近では、戦略的に最初から価格を抑えた文庫本として出版するケースも少なくありません。

自費出版でも次のようなメリットに注目して文庫本として出版する場合があります。

文庫本のメリット



文庫本のメリットは「持ち運びしやすい」ことです。片手で楽に持てるコンパクトなサイズのため、携帯性にすぐれ、カバンの中やコートのポケットにも収められます。単行本と比べて、場所を問わず、いつでも気軽に読んでもらえるのが文庫本のメリットです。

「収納しやすい」ことも文庫本の特徴です。文庫本は大きさが、ほぼ統一されているため、限られたスペースでも保管しやすく、本棚やケースなどに収納してもスペースをとりません。ハードカバーの単行本と比べると手に取りやすいメリットもあります。

文庫本のデメリット



文庫本にはデメリットもあります。文庫本は、ハードカバーの単行本のように固い表紙を使用しません。そのため保存性では単行本に劣ります。またコンパクトな文庫本は、ページの余白部分が少なく、文字が詰まっている印象を読者に与えます。好みもありますが、文庫本を読みづらく感じる人もいるのです。単行本に比べると背表紙の幅が狭いため、書店に棚差したときに目立ちにくい点もデメリットといえるでしょう。

文庫本のサイズや種類



文庫本のサイズはA6判(105✕148mm)が標準。単行本のB6判(128✕182mm)や四六判(128✕188mm)に比べると、全体的に一回りコンパクトです。新書判サイズ(105✕173mm)の新書と比べても短辺(横幅)は同じですが、長辺(高さ)が短いのが特徴です。

単行本と文庫本には、カバーにも違いがあります。単行本には、ハードカバー(上製本)とソフトカバー(並製本)の2種類があり、文庫本は全てソフトカバーです。また文庫本は単行本に比べて安価で手に取りやすい価格設定となっているのが一般的です。

文庫本・単行本・新書のサイズや製本の種類の違いを表にまとめると次のようになります。


文庫本 単行本 新書
サイズ A6判
105✕148mm B6判、四六判
128✕182mm
128✕188mm 新書判
105✕173mm
製本の種類 並製本(ソフトカバー) 上製本(ハードカバー)
並製本(ソフトカバー) 並製本(ソフトカバー)
ジャンル 小説・古典・詩集 小説・エッセイ・
ビジネス本 専門書・学術書・
実用書・自己啓発本

自費出版で文庫本をつくるポイント



自費出版で文庫本をつくるときには、注意したいポイントもあります。文庫本は通常サイズの単行本に比べると1ページあたりの面積が小さくなります。そのため文字数の多い作品では、文字サイズや余白を小さくする調整などが必要です。文字サイズが小さすぎると高齢の方には読みづらい本になるかもしれません。原稿の枚数や文字数が多い場合は、上下巻に分けたり、サイズの大きな単行本として出版したりすることを検討してもよいでしょう。

自費出版で文庫本を作る際の文字数



詩集や写真集のようなケースを除いた一般的な文庫本の場合、1冊あたりの文字数は8〜12万字程度が目安とされています。400字詰めの原稿用紙では、200枚で8万字、250枚で10万字、300枚で12万字。1ページあたりでは、500〜800文字が一般的な文字数の目安です。

レイアウトや挿絵の有無などにもよりますが、全体のページ数では8万字で130〜140ページ、10万字で160〜170ページ、2万字で200ページ前後の単行本が完成します。

書店に並ぶ本を見ればわかるように、大きな文字で行間や余白の広い本もあれば、小さな字が詰まった本もあります。文庫本でも、行間・余白・文字サイズなどで総文字数が変わってくるため、文字数の詳細は、出版を依頼する出版社に問い合わせてみるとよいでしょう。

まとめ



自費出版でも文庫本を出すことは可能です。持ち運びに便利で、収納しやすい文庫本は気軽に読んでもらえるメリットがあります。ハードカバーの単行本にこだわらないのであればカジュアルな文庫本での出版も選択肢の一つです。すでに原稿がある方や、これから執筆を始める方は、文庫本の出版もご検討ください。

こちらの記事の監修者

自費出版の風詠社コラム編集担当 大杉剛

  • 株式会社風詠社代表取締役社長。
  • 1979年3月、早稲田大学第一文学部ロシア文学専攻卒業。
  • 畜産関係業界紙編集記者を経て、印刷会社でシャープ(株)の社内報編集を担当。
  • その後、東京および関西に本社を置く自費出版会社3社に勤務し、企画・編集した書籍は450点以上。2008年に株式会社風詠社を設立。自費出版の編集歴は30年以上。
  • コラムでは、読者の皆様や自費出版を検討されている方に、有益な情報をお届けすることを目標に執筆しています。

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