最近よく聞く電子書籍とは、パソコンやタブレット端末で読むことのできる電子化された本を指します。ほとんどの場合、書籍リーダーに対応しているアプリをダウンロードし、アプリを通して読めるようになっています。スマートフォンの普及により、より手軽に読むことができるようになりました。
メリットといえば、何といっても持ち運びが楽ということでしょう。紙の書籍の場合、シリーズになっているコミック全巻を読みたいと思って全て揃えると場所をとるので大変です。持ち運びも不便で、重い本をどこかに持っていくことも難しい場合があります。電子書籍なら1台のスマートフォンやタブレットに何十冊でも入るので、収納の場所をとりません。時間があるときに、いつでもタップして読み始めることもできます。
保管方法についても、紙の書籍とは大きな違いがあります。紙は経年劣化してしまい、雨や外部からの影響で文字がにじんだり、表紙が汚れたりします。一方、電子書籍ならバックアップしておけば、長期にわたってデータの保管が可能です。
このように読み手側に多くのメリットがある電子書籍ですが、作り手側にもメリットがあります。一般的に電子書籍は紙の書籍より発行相場が安価で、自費出版にも向いています。それは、紙の書籍より様々な経費を削減できるからです。紙の書籍は印刷や製本という過程が必要です。
印刷する本がカラー印刷の場合、コストはさらに高くなります。また、完成した本の在庫管理をする場所を確保しなければいけません。
電子書籍は、書籍リーダーに対応しているアプリを入れられる多様な端末で読むことができ、すぐ人に紹介したり引用したりできる機能があります。
SNSなどで他の人とシェアしたり、メールで送付するということも手軽に行えます。
自費出版の主な流れ
オリジナルの作品を自費出版したいと考えたことがある人もいるのではないでしょうか。自分が昔書いていた詩集をまとめて、1冊の本にしておきたいという人もいるでしょう。また家族の自伝など、記念となるモノを出版してみたい、というときもあります。古い記録などを紙でまとめていたものを電子書籍にしてきちんと保管したいという要望も少なくありません。
最初に、自分の手元にある作品を出版社に送付するところから始まります。インターネットを通して原稿を送付することもできますし、紙の原稿を発送するのでも大丈夫です。出版社より企画見積もりが出てくるので、それを見ながら検討します。
自費出版の場合、本の価格を自分で決定できることが多いので本の価格を決めます。表紙のデザイン、出版権についての細かな条件を検討します。電子書籍が販売された場合も、著作権使用料が著者に支払われます。
出版に関わる色々な費用と著作権使用料を相殺して、支払われるという場合もあります。出版社とこれらの内容を含んだ出版契約を行い、出版費用の支払が完了したら実際に本を出版するための具体的な作業に入ります。
電子書籍も紙の書籍と同じように、装丁やデザイン、校正作業が必要不可欠です。
何度かメールや書類のやり取りを行い、文字の誤字や脱字がないか、本の内容と表紙のデザインが合っているかなど、チェックしていきます。
出版社のスタッフは実績も多いプロなので、出版に関するアイデアや具体的な相場を教えてくれます。細かい要望などもメールや電話でコミュニケーションをとって、仕上げていきます。編集や校正が完了したらいよいよ出版です。
自費出版をしたい場合のポイント
電子書籍で自費出版を検討しているのであれば、出版可能な会社を探すことから始まります。インターネット上にも色々な会社があるので、ネットから情報を収集することもできます。出版の流れや、よくある質問のページがあればそういったところも参考にしましょう。実際に本を出版した人が疑問に思ったことが掲載されているので、役立ちます。著作権使用料の相場、電子書籍にするための手数料の相場なども記載されています。
見積もりは、多くの出版社で無料で行っているため、具体的な数量や出版についての内容について確認しましょう。細かいことでも丁寧に応えてくれる会社、実績があり要望に応えることができる会社など、自身の希望に合った出版社を探します。出版の数量などを仮に決めておくと、見積もりの相場をインターネット上で公開している会社もあります。自分が出版する場合、どれくらいの費用がかかるのかを見ておくと大まかな目安になります。
出版の際には、電子書籍書店にデータを転送し販売する必要があります。その出版社がどういったアプリや会社と提携しているのか、読まれやすいアプリに配信できるかどうかということも、確認するポイントといえます。自費出版した書籍を今後どのように利用するかにもよりますが、なるべく多くの会社と提携しているところであれば、それだけ人の目に留まり購入されやすくなるためです。