自費出版を後悔しないためのポイントを解説
「自分で書いた小説や自叙伝を本にしたい」と思った場合、自費出版するという手段があります。出版社に企画を持ち込み、受け入れてもらう必要がある商業出版とは違い、誰でも出版できるところが利点です。しかし、自費出版ならではの注意点やリスクも少なくありません。自費出版して後悔することのないよう、事前に気をつけるべきポイントや、成功するための秘訣をチェックしておきましょう。
本記事では、自費出版で後悔しないためのポイントや、自費出版で起こり得るトラブルやリスクを紹介します。
自費出版で後悔しないために! 事前に知っておきたいトラブル例
自費出版で後悔しないためには、どんなトラブルが生じるか、あらかじめ知っておく必要があります。
ここでは自費出版で起こり得るトラブル例を3つ紹介します。
1. 自費出版の費用に関するトラブル例
自費出版では、費用を巡るトラブルが起こりやすいです。
出版社がすべての費用を受け持つ商業出版とは異なり、自費出版は文字通り出版に関する費用のすべてを自己負担する必要があります。多くの人はあらかじめ予算を決め、その範囲内で自費出版を行うことを計画しますが、製本過程でページ数が増えたり、装丁のオプションを追加したりすると、当初の見積もり額よりも金額が大幅に増えてしまう可能性があります。
また、自費出版は著者が自由に内容を決められるところが利点ですが、本が売れるかどうかは別の問題です。本が売れなければ自費出版の費用をほとんど回収できず、大赤字になってしまう恐れがあります。
2. 自費出版の仕上がりに関するトラブル例
紙の本を自費出版する場合、一度印刷してしまうと後から誤字や脱字に気付いたり、内容のミスが発覚したりしても修正することはできません。通常は、印刷の前に何度か校正を行うことになりますが、校正・校閲が甘いとミスに気付かないまま本を刷ってしまうことがあります。
せっかく手間と費用をかけて自費出版に踏み切ったのに、粗の目立つ本に仕上がってしまった、と後悔するケースもあるようです。
3. 自費出版の流通に関するトラブル例
書籍の流通経路は、一般的に、出版社→取次→書店→消費者の順となっています。このうち、どの書店にどんな本を配本するか決めるのは取次の役割ですが、配本可能な書店数や書店の規模は取次によって異なります。
配本できる書店数が少なかったり、小さな書店にしか配本しなかったりすると、売れ行きは悪くなりがちです。したがって、返品される可能性も高くなります。
自費出版で後悔しないために押さえておきたいポイント
自費出版のトラブルで後悔しないために、事前に押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
1. 契約前の打ち合わせを念入りに行う
自費出版を請け負う出版社は複数ありますが、製本にかかる費用や出版までのサポート内容は出版社によって異なります。契約内容に疑問や不安を抱えたまま出版を依頼してしまうと、費用面や仕上がり、流通経路などあらゆる面で悔いが残ってしまうかもしれません。
出版社との事前打ち合わせは念入りに行い、疑問点がある場合は積極的に質問しましょう。
2. 売れるための工夫を検討する
これまで商業出版、自費出版ともに経験がない場合、著者の知名度はかなり低いため、ただ陳列棚に置いているだけでは読者に手にとってもらえない可能性があります。その場合、新聞やSNSなどの媒体を使って自費出版する本の宣伝を行うなど、積極的に売るための工夫をすることが大切です。
宣伝広告を代行してくれる出版社もありますが、その場合は製本費用に加えて新たなコストが発生するため、予算の立て方は注意しなければなりません。
3. 安心できる出版社を選ぶ
前述の通り、自費出版に対応している出版社の特徴は出版社によって大きく異なります。費用面はもちろん、校正・校閲の丁寧さや、自費出版する本の内容に関するサポート、流通経路なども出版社によって違うのです。
自費出版では、自分がなるべく納得できる出版社を選ぶことが重要なポイントとなります。何を重視するかによって出版社選びの基準は異なるものの、最低でも以下の点は事前に確認を取っておきましょう。
● 校正・校閲に定評のある出版社か
● 本の内容に関してどこまでサポートを受けられるか
● 書店に対する営業機能を持っているかどうか
● 質問に対するレスポンスが早いかどうか
初めて自費出版を行う場合、なるべく複数の出版社を候補に上げ、比較検討することをおすすめします。
自費出版で後悔しないために、トラブルリスクと事前の対処法をしっかりチェックしておこう
自費出版は誰でも自作の本を出版できるところが利点ですが、商業出版に比べて手間と費用がかかります。
自費出版で起こり得るリスクを知らずにチャレンジすると、費用や仕上がり、流通面などで不満や不安が残り、結果的に後悔しかねません。せっかくの自費出版で悔いを残さないためにも、慎重に出版社を選ぶと共に、事前の打ち合わせはしっかり行いましょう。