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しっかり話をするべき著作権と出版権

出版社とは


出版社とは、書籍や雑誌などを発行し、多くの人に広く読まれるために書店などの販売者に働きかける会社です。

出版社は、本の広告宣伝を行い、国会図書館などの図書館に書誌的なデータを送り、知識などをパッケージ化して社会に届ける役割を担っています。

著作物に関する権利


著作物に関しては、以下のような権利が発生します。

  • 著作権

  • 著作人格権

  • 公表権

  • 氏名表示権

  • 著作者人格権

  • 名誉声望保持権



順に説明していきます。

著作権


著作物に関しては、自分で作り上げたものには著作権が発生します。

著作権とは、著作物を創作したときに発生します。明確な形を持たない無体財産権もしくは無形固定産であり、主な例を挙げると書物や音楽、絵画や建築、映画などさまざまです。特性が似ていると疑われた場合、特許権や商標権との兼ね合いから、知的財産権と呼ばれることもあります。

小説などの著作者になると、他人に干渉をされることもなく出版したり映画化や翻訳したりすることができます。出版ということを考えると、著作者が契約によって出版権のみを他人に譲渡することがあります。

著作者人格権


著作者人格権とは、著作者の思想や感情が映された著作物に対し、人格的利益の保護をすることを目的とする権利です。著作物が存在すると、利用しだいでは著作者の人格的利益を侵害する恐れがあります。

その中でも複数の権利に分類され、定められています。それらは公表権、氏名表示権、同一性保持権、名誉声望保持権になります。

公表権とは


公表権はまだ公表されていない著作物を公衆に提供または提示する権利のことをいいます。
著作者の同意を得ずに公表されたものは、公表されていないと判断されます。

氏名表示権とは


氏名表示権は、著作物の公表のときに著作者の実名もしくはペンネームなどの変名を、著作者名として表示すること、または著作者名自体を表示しないこととする権利です。

著作物の著作者としての名前を、本名にするかペンネームにするか、もしくは出さないようにするかどうかも権利が出てきます。

著作者人格権とは


同一性保持権は、著作者の意に反して、著作物およびその題号が変えられたり切りとられたり、改めて変えられることを禁止する権利です。

名誉声望保持権とは


名誉声望保持権は主に絵画に関わる権利で、美術作品である絵を著作者の意図と異なる形で風俗店などの看板に使われていたケースが、例として挙げられます。

出版物を守るために著作権を知る



著作権とは著作財産権ともいわれます。先述の通り、細かくいくつも分けることができる権利です。出版物に関してまとめてみると、著作者人格権はだれにも渡すことができないもので、これを一身専属権と呼びます。

著作権はそれぞれのケースに応じて変化が生じやすい細かく分けられた権利なので、さまざま事例を考えておくことがベストです。

それはどういったことか例に挙げると、一部の権利を出版社に譲渡するか全てを譲渡するかどうか、相続を考えるかということです。

自分にとって譲れない部分と、自分自身の年齢を考えた上で相続も検討することも大切です。相続したときなどは、その権利が相続人に移るところは大きな違いとなるでしょう。

また、複製に関する権利や印刷するとき、写真にするときなどの方法や用途の仕方、され方も意識することが重要です。かたちがあるというところが大きな意味を持ちます。

また、自分自身の作品が上演されたり、演奏されたりする権利も分かりやすい例です。自費出版でも魅力的な作品であれば起きる可能性があれば、それが対象となる権利も関係してきます。

映画以外のものも指しますが、公衆に譲渡することがありえるか、貸付する可能性があるか、ネットなどを通して話題になることもあるかを考えていき、2次的な利用も視野に入れておくべきです。

このように自費出版でも大きく関わる可能性がありますが、模倣していないか2次利用していないか、もしくは自分がそういったことをしていないかが大切となります。勘違いもありがちなところでもありますが、問題が大きくなりやすいことから、考える必要性があります。

自費出版するときなどは、著作権を侵害してしまっていないのか、出版社と相談することが一番です。

自費出版と出版社の出版権



自費出版をするということは、商業出版をする際に著作権と出版権が絡んできます。出版権とは版権とも呼びますが、著者の作品を使用することを許諾した代わりに、著作権料を支払うという契約を結びます。

その契約後、一定の期間はその著者の著作物を複製するか、もしくは販売するかという判断は出版社側で設定することになります。

ごく一例になりますが、まずは著者側から原稿を出版社へ送付します。その後、出版社から企画や見積もりに関する書類が届き、これを拝見します。

原稿を読む時間が必要となりますので、数週間かかると見込んでおいたほうが良いでしょう。見積もりを著者が納得したならば、契約へと進みます。このときに、出版権や著作権に関して詳細が分かるでしょう。

契約期間によって、著者ができることに限りが出てきますし、その期間は出版社に色々とおまかせすることも増えてきます。このときは重要なステップとなりますので、よく説明を読んだり質問したりしながら進めていきます。

それから、費用の支払いをして出版社側はレイアウトなどの編集作業や装丁のデザインへと流れていきます。デザインのイメージや校正などしっかりと報告、連絡、相談ができる出版社を選ぶことが大切です。

そういったスケジュールを経てようやく印刷から製本へとうつり、販売されるようになります。全体を通してみると、契約後の流れがスムーズな分、出版社選びが重要となりますので事前の情報収集は十分に行っておくことが今後の鍵を握ることになります。

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こちらの記事の監修者

自費出版の風詠社コラム編集担当 大杉剛

  • 株式会社風詠社代表取締役社長。
  • 1979年3月、早稲田大学第一文学部ロシア文学専攻卒業。
  • 畜産関係業界紙編集記者を経て、印刷会社でシャープ(株)の社内報編集を担当。
  • その後、東京および関西に本社を置く自費出版会社3社に勤務し、企画・編集した書籍は450点以上。2008年に株式会社風詠社を設立。自費出版の編集歴は30年以上。
  • コラムでは、読者の皆様や自費出版を検討されている方に、有益な情報をお届けすることを目標に執筆しています。

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