個人誌などの自費出版は、売れれば企画出版へ
出版物の大切さ
現代はインターネットが流通コミュニケーションツールの主流となっており、インターネットに接続できるパソコンがあれば、いつでもどこでも色々な情報を引き出すことが出来ます。また、携帯電話ユーザーの約6割がスマートフォンに移行したという統計がなされているとおり、スマートフォンであればパソコンがなくても、手軽に流通コミュニケーションを利用できるのです。ですから、今は辞書がいらない時代、また週刊誌や新聞等も廃刊してしまったところもあるほど、出版物にとっては逆風が吹いているような時代といえます。
しかし、このような時代だからこそ、逆に活字で印刷された出版物の良さが強調される場面も出てきています。
例えば、記憶に残る度合いについてです。インターネットで電子版のニュースなどを見ている人は、ネットサーフィンをすることなどによって即座に沢山の情報を目にすることは出来ますが、一つ一つが記憶に残っていくかと言われればそうではありません。
その点、活字を読む場合には、一枚一枚自分の手でページをめくり、字を追い、さらに挿絵や写真などが印刷されていれば、より情景を思い浮かべやすくなるため、記憶に残りやすいという人が多くいるのです。
また、目の疲れや頭痛、肩コリについて注目すべきことが言われています。というのは、特に女性の場合、ただでさえ片頭痛や肩コリで悩んでいる方が多くいますし、今のエアコン社会では痛みに拍車をかけているようなものです。スマートフォンやタブレット、またパソコンなど電子機器を長時間利用している場合、余計に痛みが増してしまうという統計もあるようです。
対して、活字で印刷された出版物であれば、そのもの自体が大きい場合には肩コリの原因になってしまうかもしれませんが、適度な大きさであったり机など置けるもの、支えるものを用いて読む場合は電子版のものを読むよりも痛みや疲れを感じにくいというのです。
このように、今、出版物の大切さが見直されています。
個人が出版できる時代
週刊誌の記事や小説など、プロのライターや作家が書いている出版物は、読者の心の掴み方が分かっているので、読み始めるとついついページをめくってしまうことが多々あります。
しかし、今は個人が自分の作った詩、歌、小説やエッセイ、また体験記や旅行記、さらには画集や写真集などを出版できる時代となっています。中には、自分の人生を語った自分史、また亡くなった人に思いを馳せる追悼集などを出版する人もいます。
これらのものを出版しようとする場合、最後まで個人だけで行うのは正直言って無理があるかもしれません。また、印刷や製本に関しては出版会社に依頼した方が色々なメリットがあります。実際に印刷を依頼するとなると、原稿の作成や入稿に関わる作業が必要になります。その他にもページ数や構成をどのようにすればよいのか、経験がない人にはわからないことが多く戸惑ってしまうことも多いでしょう。個人的な何かを出版しようと考えている人は、出版について気軽に相談でき、実現してくれる出版社などをインターネットで検索してみると良いかもしれません。
個人的に出版する場合の「企画出版」とは
個人的に自分史などを出版する際、最初は自費での出版が基本になります。
印刷会社や出版会社は、プロが書いて売れると分かっている出版物の場合は、売上から費用を賄うことが出来ますが、個人誌の場合にはそれが出来ません。そのため、まずは自費で出版することから話がスタートするのです。
個人的なものを出版したいと話を持ち込んだとすると、大体どのような出版物になるのか大まかな企画を立てた段階で、出版するための見積もりが提示されてくるものです。
中には、何ページから何ページぐらいでどのくらいの大きさで、また写真点数などがどのくらいあるのなら大体いくらかかる、というフォーマットを決めてくれている会社もあります。つまり、自分が出版したいものを、負担できる費用に応じて柔軟に変更することも可能なのです。それだけ、個人的なものを出版しやすくなっているといえます。
では、出版するものの仕様や費用も話がついて、いざ出版したとします。当初考えていたよりも部数が売れ、出版費用も賄えるほどになりました。しかも、継続して出版を企画できるような状態にまでなったとします。
こうなると「企画出版」ということが可能になる場合があることは、あまり知られていないかもしれません。企画出版になれば、自分では費用を全く負担することなく、出版会社や印刷会社の企画ものとして出版することが出来るのです。出版物が売れれば著者に対して売上の一部が還付される場合があります。
このように、個人的に出版するものが企画出版にまで発展することを夢見て、企画を持ち込むアマチュアの方もいらっしゃるくらいですから、自分誌などを出したいと考えている方は、この機会に一度真剣に考えてみても良いかもしれません。