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自費出版において原稿を上手く仕上げるコツ

完成させて初めて意味が出てくる



自分の思った通りの文章で本を作りたいというのは、だれもが一度ぐらいは思い浮かべることではないでしょうか。これを形にして実現するのが、自費出版とよばれるものになります。自費出版とは、自己資金で本を作る方法で、好きな内容で出版することができる方法です。もちろん、法的に問題のあるような内容での出版はできませんが、本を作るうえでとても自由度の高い方法であるといっても過言ではありません。

その文章についてですが、思いのたけをつづることもひとつの方法であり、それはそれで面白いものに仕上がるでしょう。ですが、それよりももっと上手な作品を作り上げたいと思うことも確かなのではないでしょうか。原稿を上手く仕上げるコツというものがあり、それを押さえることができるかどうかが大きな分かれ目となります。

そのポイントのひとつが、最初は気にしないで書くということです。はじめから完成度の高い原稿を作ろうと意識すると、なかなか完成しません。完成しないことには、自費出版そのものをすることができません。ですので、何よりもまずは完成させることを目指すべきです。

時には、ひどいと思う文章に遭遇することがあるのではないでしょうか。しかし、書いていなければ、その評価すら受けることができません。文章の流れができ上がっていれば、修正することができますが、何もない状態では修正することはできません。だからこそ、完成させることが重要となります。

なかなか原稿を書くことができない人の特徴として、まず完成させることができないという人が多くみられます。そうした場合、どのような形でも構いませんので、取りあえずは完成させてみてから、次のステップに移るということを忘れないようにするといいでしょう。心配も修正も最後にすればいいだけのことです。



校正という作業をよく考えること



原稿を上手く仕上げるにあたって、完璧にしたいと考える人も多いでしょう。自分だけで原稿を完璧に仕上げることができるかといえば、できないことはないかもしれませんが、それが有効かといえば、有効ではありません。この理由のひとつに、原稿が自分の目に慣れてしまい、間違いに気づきにくくなってしまうということです。

確かにミスは極力減らし、美しく仕上げたいところでしょう。ですが、そのミスを100パーセント無くすことができるのかといえば、その作業は困難を極めます。例えば、自費出版で小説1冊を仕上げるとします。この場合には10万文字程度が必要となりますが、原稿用紙で換算すると約300枚にも及ぶことになります。これを自分で完璧に仕上げることは、相当の労力を要します。そこで、校正担当者が必要となってきます。

校正担当者は、文字の間違いなどを修正する担当者です。校閲作業も同時におこなうこともあります。校正のプロたちがみて、その文章や表現に問題はないのかをチェックするのですが、企業によっては自費出版でも行ってもらえることがあります。こうした作業を間に挟むことができれば、文章の完成度は確実に上昇します。ミスをあまり気にせずに書き続け、校正で修正するというのも一つの方法です。もちろん、費用は発生することにはなりますが、苦労を重ねた末に完成せずに終わってしまうようであれば、プロに依頼して完成度の高い校正を目指すほうが、時間を含め大きなメリットがあるといえるでしょう。



予定を作り上げるということの意味



自費出版するということでは、さまざまな種類の内容があります。その内容ごとに書き方があり、原稿を上手く仕上げるコツがあるものです。内容を考え、どこに山を持ってくるのかなど、方法は千差万別であり、唯一絶対の方法があるというわけではありません。ですが、原稿を上手く仕上げるコツとして共通しているのは、それはパズルのように散らばったパーツをどうやって一つのものにするのかということでしょう。

結論を始めに持ってくるように倒置するとしても、結論が決まっていなければできないことです。いろいろとアイデアをためていることでしょうが、その内容をいったいどこに持ってきて、どこで膨らますのかをパズルのように当てはめていくことができれば、文章はどんどんと完成していきます。骨格が見えてくれば、そのあとを埋めていくように文章を作り上げていくことができるでしょう。どんなに複雑なパズルであっても、骨格を作り出していくまでが勝負です。どうしても苦しむときは、この骨格がしっかりできていないということがあります。文章の骨格が仕上がっていないのは、どうしても進まなくなる原因にもなります。完成度が上がらないという要因のひとつとして、この骨格に揺らぎがあり、まとまりがつかないことが背景にあることも多々あります。

したがって、原稿を上手く仕上げるコツは、終わらせる予定を見つけることだといえます。骨格ができれば、終わりも見えているはずです。反対に、終わりがなければ、骨格を作るのは難しくなります。その点で、原稿を上手く仕上げるコツとしては、予定をしっかりさせることだといえます。校正の予定も含めて、完成させるということが重要なのであって、上手に仕上げようという意識よりも大切なことです。出版社によっては、こうしたことに関するセミナーも実施されていることがありますので、そういったツールも有効に使っていくと、コツも見えてくるでしょう。

こちらの記事の監修者

自費出版の風詠社コラム編集担当 大杉剛

  • 株式会社風詠社代表取締役社長。
  • 1979年3月、早稲田大学第一文学部ロシア文学専攻卒業。
  • 畜産関係業界紙編集記者を経て、印刷会社でシャープ(株)の社内報編集を担当。
  • その後、東京および関西に本社を置く自費出版会社3社に勤務し、企画・編集した書籍は450点以上。2008年に株式会社風詠社を設立。自費出版の編集歴は30年以上。
  • コラムでは、読者の皆様や自費出版を検討されている方に、有益な情報をお届けすることを目標に執筆しています。

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