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詩集は自費出版できる?費用や手順、注意点を解説

長年、書きためた詩があるなら、詩集にして自費出版してはいかがでしょうか。自費出版なら少ない部数でも、書店に並ぶ詩集と変わらない本にできます。今回は詩集を自費出版する際の費用や手順、注意点などを紹介します。つくった詩を一冊の詩集にまとめたい方は参考にしてください。


詩集とは



詩集とは、生活や自然を見て感じた叙情や感動などを、リズムのある言葉で表した「詩」を集めた書籍のことです。すぐれた詩は、同じ文芸作品である小説や随筆に比べると、より少ない文字数で深い感動を読者に与えます。

作者がどのようなことに心を動かされているのか、感性や考え方なども色濃く反映されるため、あなたを理解してもらうための一助にもなります。一冊の本にすれば子々孫々まで読み継がれるでしょう。

詩集は書店での販売数が少ないため、有名な詩人や作家でない限り、商業出版は難しいのが現状です。そのため詩集を書籍化したい人の多くが、自費出版という形で詩集をつくっています。詩を書くことが好きで、多くの作品をつくってきたなら、自費出版で書籍にまとめることもご検討ください。

詩集を自費出版する手順



詩集を自費出版する際は、一般的に次のような手順で進めます。流れを理解した上で、準備をしておけばスムーズに出版できます。

1)作品を整理しておく
2)出版社を選ぶ
3)編集者と打ち合わせる

作品を選別・整理する



書きためた作品がたくさんあるなら、本に掲載する詩を選別しましょう。詩を選ぶ際に見直して気になるところがあれば、推敲してみるのも楽しいはずです。

作品をテーマ別に整理しておいてもよいでしょう。四季に感じたことを表した詩なら「春・夏・秋・冬」に分ける。あるいは「旅先で感じたこと」や「日常で感じたこと」、「人との交流で感じたこと」に分けるなどテーマごとに整理してください。最終的には編集者とまとめるケースも多いのですが、事前にある程度まとめておくとよいでしょう。

出版社を選ぶ



次に編集や印刷、製本を請け負ってくれる出版社を選びます。出版社を選ぶ際は、出版社のホームページを見て検討してください。出版社にも特色があり、幅広いジャンルを扱っている会社もあれば、得意ジャンルに特化している会社もあります。詩集を出すなら過去に詩集の出版実績がある会社を選びましょう。

ホームページではコストが予算に合っているかどうかや、売上還付金(印税)のパーセンテージなども調べてみましょう。予算や納期は人によって異なるため、柔軟に対応してくれる出版社を選ぶことで、自分の予算や納期に合わせた出版が実現できます。

編集者と打ち合わせる



出版社が決まったら、どのような詩集に仕上げたいのか、内容や本のサイズ、表紙と帯のデザインなどを編集者と打ち合わせて決めていきます。

詩集の場合は、1ページあたり何行×何文字にするか、写真やイラストを使用するか否かなども決めていきます。よりよい詩集になるようアドバイスしてくれる編集者もいます。アドバイスを参考にすれば、よりクオリティの高い詩集が完成するでしょう。

自費出版で詩集をつくる際のページ数



詩集に限らず、書籍は最終的にページ数が8、または16の倍数になるように編集されます。なぜなら印刷会社は、1ページずつ印刷するのではなく、1枚の大きな紙に8〜16ページをまとめて印刷しているからです。印刷後に折り加工をした上で裁断して書籍の形とするため、必然的に最終的なページ数が8、または16の倍数になるのです。

詩集の場合、小説やビジネス書に比べると、それほどページ数は多くありません。128(16×8)〜144(16×9)ページくらいが目安です。最終的にそれだけのページ数にする場合、用意する原稿は400字詰め原稿用紙で100〜120枚程度です。詩の数としては100篇以上用意しておくとよいでしょう。

書きためた詩が不足しているようなら書き足す必要があります。ただしページ数は、1ページあたりの文字数や行数、写真やイラストの有無などによって上下します。迷ったら編集者に相談してください。

詩集を自費出版する際にかかる費用



詩集の出版にかかる費用は、ページ数や印刷部数、仕様や書店に流通させる(委託配本)か、流通させないか(私家版)などによって大きく変わります。一概に「いくらが相場」とはいえません。

友人や知人に配る私家版を50部つくる場合、ハードカバー製本・カバー4色フルカラー(PP加工)・表紙1色印刷・本文1色印刷で、30〜50万円くらいが標準的。書店で流通させる場合は多くの部数が必要となり、流通費用も加算されるため、80万〜120万円くらいの費用がかかるのが一般的です。

同じような条件(ページ数や印刷部数・仕様)でも出版社によって費用は変わってきます。一概に安いほうがよいとはいえません。複数の出版社に無料で見積もりを依頼して、納得できる条件や金額を提示してくれた出版社に依頼してください。

詩集を自費出版する際のポイントや注意



詩集を自費出版する際のポイントは、出版した詩集をどう活用するのか、目的を明確にしておくことです。書店に流通させるのではなく、知人や友人に配るだけなら、部数が限られるため費用も安くなります。

詩集は、費用をかければよいものができるわけではありません。出版する目的をはっきりさせておけば、余計なコストをかけることなく思いどおりの詩集が完成します。

詩集を自費出版する際は、出版社から送られてくるゲラ(試し刷り)をしっかりチェックすることも必要です。詩集の場合、1篇の詩が見開きページごとに完結するのが理想です。詩の最後の数行だけが、次ページにかかってしまう場合もあります。1篇の詩が見開きごとに収まっているか、ゲラをチェックして改行やレイアウトの変更で修正してください。

まとめ



詩は作者の感性を表現できるものです。書きためた詩があるなら、ぜひ詩集としてまとめて書籍化してみましょう。

詩集は、小説や自叙伝と違って短い文章のため、読書が苦手な人にも読んでもらいやすい特徴があります。自費出版した詩集をプレゼントすれば喜ばれるでしょう。

あなたの感性を後世に残すためにも、詩集の自費出版を検討してはいかがでしょうか。

こちらの記事の監修者

自費出版の風詠社コラム編集担当 大杉剛

  • 株式会社風詠社代表取締役社長。
  • 1979年3月、早稲田大学第一文学部ロシア文学専攻卒業。
  • 畜産関係業界紙編集記者を経て、印刷会社でシャープ(株)の社内報編集を担当。
  • その後、東京および関西に本社を置く自費出版会社3社に勤務し、企画・編集した書籍は450点以上。2008年に株式会社風詠社を設立。自費出版の編集歴は30年以上。
  • コラムでは、読者の皆様や自費出版を検討されている方に、有益な情報をお届けすることを目標に執筆しています。

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