「です・ます調」と「である調」の違いと使い方・注意点を解説
「です・ます調」と「である調」の違いと使い方・注意点を解説
文章を書く際に「です・ます調」と「だ・である調」どちらの文体で書くべきか、悩まれるかもしれません。
この2つの文体はなんとなく印象が違うだけではなく、使い方に明確な差があります。
両者の違いと使い方をしっかりと把握していなければ、読み手に正しく伝わらないかもしれません。
そこでこの記事では「です・ます調」と「だ・である調」の違いや、使い方を解説します。文章を書く上での基本的なルールとなるため、
自費出版など長めの文章を書く際にはぜひ参考にしてみてください。
「です・ます調」と「である調」では与える印象が違う
「です・ます調」と「である調」の大きな違いは、読み手へ与える印象の差です。
「です・ます調」は丁寧語で統一された文体のため、読み手に丁寧で柔らかい印象を与えます。
対して「だ・である調」は敬語を使わず強い断定形をとるため、やや堅い印象を与える文体です。
このように「です・ます調」と「である調」では、読み手に与える印象が異なります。
そのため文章の内容や媒体によって使い分けることで、より読み手に伝わりやすい文章を作成できます。
「です・ます調」の特徴と使い方
「です・ます調」は正式名称では敬体と呼ばれ、文字通り「です」「ます」で終了する文体です。
語りかけるような文章になるため、読みやすく親しみやすい文章になるのが特徴です。
また読み手に同意を求めたり、柔らかく訴えかけたりするのにも適しており、以下のような文章に用いられます。
解説文や説明書
教科書
ビジネス書
ただし強く訴えかけるには不向きで、少しインパクトに欠ける面があります。
使い方としては、基本的に「〜です」「〜ます」が文末となります。
他にも「〜ました」や「〜ください」、「~ありません」といった文末も敬語にあたるため、敬体として扱われる表現です。
「である調」の特徴と使い方
「だ・である調」は正式名称では常体と呼ばれ、敬語を用いない普通の文章様式とされています。
断定することにより、説得力のある文章になるのが特徴です。
そのため正しい事実や強い意思を伝える際に適しており、以下のような文章に用いられます。
ニュース記事
新聞
論文
感想文
ただし威圧感があり、冷たい印象を与えてしまう面があります。
また言い切り表現になるため、その文章に当てはまらない読者や反対意見を持つ人から、嫌悪感を抱かれてしまうかもしれません。
使い方としては、基本的に「〜だ」「〜である」が文末となります。
他にも「〜いる」や「〜た」、「〜だろうか」と多くのバリエーションがあり、敬体が混ざらないように注意すれば、自由な文末で締めることが可能です。
文章中に「です・ます調」と「である調」の混在がNGな3つの理由
「です・ます調」と「である調」はどちらかに統一して、混在させないのが文章を書く上での基本的なルールです。
敬体と常体を混ぜてはいけない理由として、大きく以下3つが挙げられます。
文章が読みにくくなる
与える印象が真逆
文章が稚拙に見える
まずどちらかの文体に統一されていない文章は、リズムがバラバラになるため、読みにくくなります。
次に敬体は柔らかい印象を、常体は堅い印象を与えるため、それぞれ真逆の印象となります。
これらが混在していると、読み手は読み進めるたびに異なる印象を感じることになり、混乱してしまうのです。
そして2つの文体が混ざることは基本的に有り得ないので、稚拙な文に感じられてしまいます。たとえ素晴らしい内容の文章や、正しいことを述べている文章であっても、信憑性や説得力が欠けて台無しになってしまうでしょう。
このように文体を混ぜると、読みにくい文章となるので、読み手にとっては大きなストレスです。
気持ちよく読み進めてもらうためには、文体の統一がなくてはなりません。
しかし敬体の文章であっても、箇条書きやカギ括弧で囲まれた会話文は、例外的に常体を使っても問題ありません。
「です・ます調」と「である調」を正しく使い分けるとより伝わりやすい文章が書ける
「です・ます調」と「である調」をなんとなく使い分けていたり、混在してしまったりしていると、書き手が伝えたいことが正しく伝わらないかもしれません。
書く内容や媒体によって、適した文体は異なります。
それぞれの文体が持つ特徴や読み手に与える印象を把握して、誰に向けた文章なのか、何を伝えたいのかを考慮して、適切な文体を用いましょう。
また2つの文体が混ざってしまっては、読み手に大きなストレスを与えてしまいます。さらには稚拙な文に感じられるため、文章の信憑性や説得力が欠けてしまいます。
ストレスや違和感を与えるような文章では、多くの人が読むことを止めてしまうでしょう。文章は読まれなければ意味がありません。
2つの文体を正しく使い分けて、しっかりと伝わる文章に仕上げましょう。