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書籍の著作権・版権・著作権印税などの本の権利関係を徹底解説

著作権は、小説や絵画、写真などの「著作物」を創作した「著作者」に対し、自動的に与えられる知的財産権です。簡単に説明すると、著作物の公表方法や表示、内容について第三者が勝手に改変したり、著作物を無断で使用することを禁止する権利です。
著作物を書籍化・販売するには、著作者と出版社の間で「版権(出版権)」の契約を取り交わす必要があります。

今回は、書籍の著作権や版権、著作権印税について詳しく解説します。

著作権とは著作者に与えられた知的財産権の1つ


著作権とは、小説や論文、絵画、写真など、芸、学術、美術又は音楽の範囲で、人が感情や思想を持って創作したものに与えられる権利です。
著作権は「無方式主義」の知的財産権です。登録や申請といった特別な手続きは必要ありません。「著作物」を創作・公表した時点で著作者であれば、誰でも権利を持つことができます。

印刷物に関わる著作物の種類としては、次の6つが挙げられます。

● 言語の著作物
● 美術の著作物
● 地図や図形の著作物
● 写真の著作物
● パソコンソフト・アプリなどのプログラムの著作物
● データベースの著作物

著作権で認められた権利は著作者人格権と著作財産権


著作権で認められた権利は、著作者人格権と著作権(財産権)の2つの大別されます。
著作権人格権は著作者のみの与えられる一身専属性の権利です。譲渡や相続ができないため、著作者が死亡するとその権利も消滅します。なお、著作権法第51条によって、著作者の死後70年間は権利を駆使できる保護期間が定められています。[注1]

著作権人格権には、著作物の公表方法(公表権)や著作名の表示の決定(氏名表示権)ほか、著作物の内容について、勝手に改変することを認めない権利(同一性保持権)があります。

著作財産権は、著作物が第三者によって無断で利用されることを禁止し、著作者の経済的利益を保護する権利です。著作権人格権とは異なり、第三者への譲渡や相続が可能です。
著作権法第21〜第28条で定められた著作財産権には、複製権、上演権・演奏権、上映権、公衆送信権、口述権、展示、頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳権・翻案権、二次的著作物の利用権の11種類があります。

版権(出版権)は著作者から出版社に付与された出版権利


版権(出版権)は、「言語に関する著作権」に該当する書籍の出版について、著作権者が出版社に権利を付与することです。
出版権者となった出版社は、著作者から原稿を受け取ってから6ヵ月以内に出版、または自動公衆送信をする必要があります。

[注1]e-Gov法令検索:著作権法 第五十条(著作者人格権との関係)


出版権の契約には著作権譲渡契約・出版権設定契約・著作物利用許諾契約がある


著作者と出版社のあいだで取り交わされる出版権の契約には、大きく分けて次の3種類があります。

(1)著作権譲渡契約
著作者が、著作権そのものを出版社に譲渡する契約です。

(2)出版権設定契約
著作者が、著作物を書籍化して販売する権利を付与する契約です。この出版権は特定の出版社に独占的に付与され、同一の書籍を複数社から販売できない契約が一般的です。書籍に対する著作権は著作者が有します。

(3)著作物利用許諾契約
著作者が、著作物を書籍化して販売することを出版社に許可する契約です。出版権設定契約とは異なり、複数他社からの販売を制限しません。


著作権印税は出版社が著作者に支払う著作権使用料


出版権によって著作物を書籍化・販売した出版社は、権利を付与した著作者に、その対価として著作権の使用料を支払います。これを著作権印税や、印税よ呼びます。
著作権印税には、書籍の発行部数に応じて支払われるもの、実際に売れた部数に応じて支払われるものの2種類があり、著作者と出版社間での任意のもと取り決めます。印税率は契約内容によって異なります。


【まとめ】

書籍出版をする前に著作権・版権・印税について理解しておくことが大切


著作権は、創作物に対して、その著作者に与えられた知的財産権です。書籍は「言語の著作物」に該当し、出版社から販売する際は、著作者と出版社とのあいだで版権(出版権)の契約が交わされます。
著作物を書籍化し、世の中に販売する際は、出版社と条件についての取り決めをしっかり交わし、書面化することが大切です。

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